ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー ロマン派時代 中級・下

チャイコフスキー 四季より「3月 ひばりの歌」

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チャイコフスキーの隠れた名作である四季「3月ひばりの歌」をお送りします。

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チャイコフスキーってどんな人?

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky1840年5月7日‐1893年11月6日)は、ロシアの作曲家。

ロシアを感じさせる音楽でありながら、ヨーロッパの雰囲気も持ち合わせる作風で、美しいメロディーと華やかなオーケストレーションから、クラシック音楽の中でも人気の高い作曲家となっている。特に交響曲や、バレエ音楽が人気だが、幅広いジャンルを作曲している。

チャイコフスキーの生涯
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Pyotr Ilyich TCHAIKOVSKY

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《四季》

この曲集について

・作曲者:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
・原題:Les Saisons
・作品番号:Op.37bis
・作曲:1875年〜1876年
・出版:1876年(雑誌『ヌーヴェリスト/Nouveliste』に毎月1曲ずつ掲載)
・編成:ピアノ独奏
・全12曲:1月〜12月、それぞれの月を描いた性格的商品

1月 「炉端にて」 At the Fireside
2月 「謝肉祭」 Carnaval
3月 「ひばりの歌」 Song of the Larks
4月 「松雪草」 Snowdrop
5月 「白夜」 Starlit Nights
6月 「舟歌」 Barcarolle
7月 「狩り入れの歌」 Song of the Reaper
8月 「収穫」 Harvest
9月 「狩りの歌」 The Hunt
10月 「秋の歌」 Autumn Song
11月 「トロイカ」 Troika
12月 「クリスマス」 Christmas

詩について

《四季》の12曲には、それぞれの月の情景に合わせて、ロシアの詩人による短い詩が添えられています。
プーシキンやトルストイなど、ロシアを代表する詩人たちの作品から一節が引用されており、音楽とともに季節の風景や人々の暮らしを想像することができます。

各曲には、雑誌編集者のイコライ・ベルナルトが選んだロシアの詩人によるエピグラフが添えられいます。

3月《ひばりの歌》とは?

・日本語:3月《ひばりの歌》
・ロシア語:Март — Песнь жаворонка (Mart — Pesn' zhavoronka)
・英語:March-Song of the Lark
・調性:ト短調
・拍子:2/4拍子
・速度標語:Andantino espressivo「歩くような速さで、表情豊かに」
・演奏時間:約2〜3分
・詩:アポロン・マイコフ

Поле зыблется цветами,
В небе льются света волны.
Вешних жаворонков пенья
Голубые бездны полны.

     ― А. Н. Майков


野原は花々に揺れ
空には光の波があふれる
春を告げるひばりの歌声が
青き深みに響き渡る
     ーアポロン・マイコフ

この曲ってどんな曲?

《ひばりの歌》は、静かでどこか物寂しい旋律から始まります。

ト短調で書かれた音楽は、春の訪れを明るく華やかに描くというよりも、まだ冬の空気を残したような、淡く控えめな響きが印象的です。

冒頭では、短いフレーズがぽつり、ぽつりと語りかけるように現れます。旋律そのものは途切れているわけではありませんが、一つ一つのフレーズが短いため、広い静かな景色の中から小さな声が聞こえてくるような印象を与えます。

また、曲の中にはひばりのさえずりを思わせる短い細かなモチーフも登場します。穏やかな旋律の合間にその声が現れ、少しずつ春の気配を感じさせます。

難易度

★★★☆☆(中級・下)

技術的に難しいパッセージは少なく、曲も比較的短いため、《四季》の中では取り組みやすい作品です。

一方で、短いフレーズを一つ一つ丁寧に歌わせながら、ぽつりぽつりと現れる旋律を大きな流れとしてつなげていくことが大切です。

また、ひばりのさえずりを思わせる細かなモチーフと、歌うような旋律との音色の違いを表現できると、より曲の情景が伝わりやすくなります。

Rieの一言

ロシアの3月は、長く厳しい冬がようやく終わりに近づくころ。でも、まだすっかり春になったわけではありません。

私がこの曲から思い浮かべるのは、春らしい明るく華やかな景色というよりも、まだ冬の名残を残した、どこか荒涼としたロシアの風景です。

空は少しどんよりとして、景色にもまだ色が少ない。そんな静かな世界の中で、ひばりが少しずつ歌い始めます。

でも、そのひばりも元気いっぱいに春を告げているというより、私にはどこかお寝ぼけさんに聞こえます。長い冬の眠りから目を覚まして、「そろそろ春かな?」とぽつりぽつり声を出し始めているような…

添えられたマイコフの詩には、花や光、青い空など、すでに春を迎えたような景色が描かれています。けれど、私がこの音楽から感じるのは、その少し手前。冬から春へと季節が動き始めた瞬間です。

こんな風景をイメージしながら演奏してみました。

この曲をもっと楽しみたい方へ

楽譜

私が使っている楽譜はこちら。ロシア語とドイツ語訳の詩が載っています。

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CD

この曲集を弾きたいと思ったきっかけは、ダンタイソンのCDを聴いたことでした。シンプルな演奏でありながら、音の美しさに惹かれました。

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