ヨハン・ブルクミュラー ロマン派時代 初級・中

ブルクミュラー 25の練習曲 「バラード」

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ブルクミュラー「25の練習曲」の第15曲目「バラード」をお届けします。

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ヨハン・ブルクミュラーってどんな人?

ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルクミュラー(Johann Friedrich Franz Burgmuller、1806年12月4日~1874年2月13日)はドイツの作曲家・ピアニストです。日本では、25の練習曲の作曲家として知られています。

ドイツのレーゲンスブルクで生まれましたが、26歳でパリに移住。亡くなるまでパリで活躍しました。他の作曲家と違い、あまり知られてはいませんが、パリに移った後、教育者として有名になり、フランス国王ルイ=フィリップ1世の子供たちにピアノを教えることになります。また、弟のノルベルト・ブルクミュラーも作曲家・ピアニストで、ヨハン・ブルクミュラーよりも有望視されていましたが、若くして亡くなっています。

ブルクミュラーの生涯
ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルクミュラー Johann Friedrich Franz Burgmuller

このページではヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルクミュラーの生涯・代表的な曲・動画の紹介をしています。 ブルクミュラーってどんな人? ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルクミュラー(Johann F ...

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25の練習曲とは?

ブルクミュラーは練習曲集を3つ書いています。

  1. 25の練習曲 「ピアノのためのやさしく段階的な25の練習曲」
  2. 18の練習曲 「18の性格的な練習曲」
  3. 12の練習曲 「12の旋律的で華麗なる練習曲」

3つの曲集がシリーズになるように、「25の練習曲」が初級向け、「18の練習曲」が中級向け、「12の練習曲」が上級向け、と難易度が分かれて作られています。

「25の練習曲」は全体を通してオクターブが出てこないため、小さな手のお子様でも弾くことができ、2ページ程度の長さ、♯や♭の少なさ、題名がありメロディーに親しみやすい事から、日本では導入期や初級の教則本として、古くから親しまれています。

1 素直な心  La candeur
2 アラベスク  L'Arabesque
3 牧歌  La Pastorale
4 子供の集会  Le petite Reunion
5 無邪気  Innocence
6 進歩  Progres
7 清い流れ  Le Courant limpide
8 優美  La Gracieuse
9 狩猟  La chasse
10 やさしい花  Tendre fleur
11 せきれい  La Bergeronnette
12 さようなら  L'adieu
13 なぐさめ  Consolation
14 スティリアの女  La Styrienne
15 バラード  Ballade
16 小さな嘆き  Douce Plainte
17 おしゃべり  La Babilarde
18 心配  Inquietude
19 アヴェマリア  Ave Maria
20 タランテラ  La tarentella
21 天使の声  L'Harmonie des Anges
22 舟歌  Barcarolle
23 帰途  Le Retour
24 つばめ  L'Hirondelle
25 貴婦人の乗馬  La Chevaleresque

※日本語訳は色々なバージョンがあります

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バラードとは?

曲の基本知識

拍子と調号

8分の3拍子
ハ短調

出てくる音楽記号

Allegro con brio 速く活気をもって
misterioso 神秘的に
cresc. だんだん大きく
dolce やさしく、甘く
poco riten. だんだんゆっくりと
animato 行き生きと
dim. だんだん小さく

曲の構成

A→B→A→Coda

題名について

原題はBallade
Balladeとは音楽用語で叙事曲、物語詩のこと。物語や詩に音楽をつけたものが由来。

弾く時のポイント

AとBの対比をしっかり付けられるかがもポイント

step
1
   Aの部分の左手がピッタリ入るか

左手の細かな動きが緻密に弾けているでしょうか。右手ともあってくるので、リズムを正確に弾きましょう。

step
2
   Aの終わりはどの位盛り上げるのか

だんだんとヒートアップしているはず。なので、小さくまとまらないように、勢いよく弾き切りましょう。

step
3
   Bの部分は優しい音色になっているか

AからBに変わるところで、Aの勢いのまま入っていないでしょうか?一呼吸して、気分を新しくして弾きましょう。

Rieの一言

バラードは物語や詩に音楽を付けたものが元になっていて、イギリスが発祥とされています。
今回の曲にも、物語をつけてみました。

ある、薄暗い不気味な森の中・・・
一人の旅人が何かに追われるように歩いてきます。
茂みの中からは、ゴソゴソと得体のしれない何かが近づいてくる音が聞こえます。
恐怖におびえた旅人は、思わず駆け出しました。
木の根に躓いたのか、急な斜面から転げ落ちてしまいました。


どれだけ、気を失っていたのでしょうか。
先ほどの不気味な森の中とは打って変わって、目の前には美しい景色が広がっています。
旅人は安心して、歩き始めました。

しかし・・・
なんだか、周りの様子がおかしくなってきました。
そう、またあの不気味な森へと戻ってきてしまったのです。
そして、また得体のしれない何かが迫ってきました。
旅人は、死に物狂いで走り去っていきました。

Aパートにある、左手の細かい音が「得体のしれない何かがゴソゴソと近づいてくる音」に聴こえてきませんか?転ばないように弾くことに注目しがちですが、こんな効果音を思い描いて弾いてみても、雰囲気がでて素敵な演奏になりそうです。

ぜひ、オリジナルの物語をつけて、楽しんでみて下さい。

-ヨハン・ブルクミュラー, ロマン派時代, 初級・中